ミズノプリテック株式会社

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特集

学問のすゝめ
Where there's a will, there's a way.

人類がこれまで経験したコミュニケーションの大革命は三回あったといわれています。最初の革命は言語を使うようになった時、二番目は文字を使うようになった時、三番目は印刷術を発明した時であります。印刷というメディアが人類の文明におよぼした影響には言語や文字の誕生と同様、はかりしれないものがあります。そして今また四番目の革命の時、ニューメディアというコンピューターによる通信や情報の革命であります。
この大転換期に入った今こそ、これまでのコミュニケーション革命が果たした役割と意義を見つめなおさなければならないと思い、初代水野勉(1898〜1978)がこの地で創業して昨年九十周年を迎えたのを記念して、『学問のすゝめ』初版本を活版で復刻致しました。

ミズノ・プリンティング・ミュージアムは、紀元前二千年頃メソポタミアの時代の「円筒印章」から現在に至るまで、印刷文化史上貴重な印刷物や印刷機を収蔵しており、日本の近代印刷の先駆をなした福澤諭吉(1835〜1901)の関係本も多く所蔵しています。中でも現在十部しか確認されていない『学問のすゝめ』の初版本は明治四年十二月の端書があり翌年の明治五年二月に出版されたものです。

学問のすゝめこの『学問のすゝめ』は十七編合わせて340万部というベストセラーですが、再版は木版刷りで、初版は独自の金属製彫刻活字(鉛活字)、機械漉き洋紙両面刷りというそれまでの和装本の姿を一変したものです。
この書物に限りなく近づけるため、洋紙から細部の再現にもこだわり、当館所蔵の「機械遺産」に認定された平野富二ハンドプレス(手引き活版印刷機)を使用し『学問のすゝめ』復刻版を制作致しました。

学問のすゝめ表紙紙や印刷術の発明が如何に我々の社会に貢献しているか、これを印刷人として啓蒙していくことがひいては業界の発展にもなると思い、以来多くの方々のご協力を頂き当館を開設する事ができました。現在も世界印刷史のルーツを探るべく資料の収集に努めております。まだまだ不充分のそしりはまぬがれませんが、社業発展への情熱と業界への情熱とを自分の心に積み重ねて、人の倫を正しく辿ることを心掛け、企業のフィランソロフィーとして、また、小生のライフワークとして今後一層充実したものにしていきたいと願っております。

ミズノ・プリンティング・ミュージアム 館長
水野 雅生